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「言葉の発達と子どもの噛みつき」根本先生が教える!子育ての悩みを解決するアイデア集 Vol.5(全5)【言葉】

ドールハウスに家具を置く子どもたち
おすすめ

子育てママたちから数多く寄せられたお悩みについて、社会福祉法人地球の子ども会 ちゃいるどはうす森のほいくえん 理事長の根本華誉(ねもとかよ)先生にお話を伺いました。

1歳10か月の女の子です。噛みつきについて悩んでいます。思い通りにならないと癇癪を起して叩いたり噛みついたりしてしまいます。
最近ママやパパ以外にも保育園のお友達も噛むようになっていてお友達やその親御さん保育園の先生にも申し訳ない気持ちでいっぱいです。
噛みつきは言葉の発達とも関係があると聞きましたがどのような関係があるのか、また噛みつきがおさまるようにするにはどうしたらよいでしょう。

保育園でもお友達を噛んでしまうという事ですので、保育園の先生の立場も併せてまた保護者へのアドバイスを含めてお話ししてまいります。
 
0~2歳児を受け持つクラスにおいての噛みつきは、保育者にとっては珍しいことではなく、常に気を付けていることの一つです。
しかし、保護者にとっては心配になる事の大きなひとつです。
子どもの噛みつきに対して保育者は保護者の気持ちに寄り添って、噛みつきに対して理解を深め、適切な対策や保護者の心配を和らげるような対応を行ってくことが重要だと感じています。

噛みつきはお家の方と共に保育者も悩むひとつの要因

保育者にとって噛みつきは、常に気を張って見ているにもかかわらず防ぐことが難しい場合もあります。

子どもの動きは俊敏で、予想しない場面で噛みつくこともあるため、未然に防げない事に責任や申し訳なさを感じることを何度も経験します。

嚙みつきを少なくしたり、防ぎたいと思う気持ちはどのお家の方も保育者も同じだと思います。そのためにはまず、噛みつきの要因を理解し、知識と技術を身につけることが大切になります。

噛みつきはなぜ起こるのか?身体的要因

歯が生え始めると歯茎がむずむずするので、なにかを噛んでしまうことがよくあります。

また、「噛みつくことが悪いこと」とまだ理解ができていないから、という要因も考えられます。

言葉で気持ちを表現できないという精神的要因

噛みつきがとくに多く見られるのが1歳半~2歳児でしょう。1歳半を過ぎるころには自分で行きたいところに移動が出来るようになり、お友達のところに行くことも出来ます。

「あのおもちゃがほしい」「その場をどいてほしい」など、自我が芽生えているにもかかわらず言葉で気持ちを伝えることがまだ上手くできません。そのため自分の意思を通すのに、とっさに噛みついてしまう事もあります。

反対にいきなり手が出てきたり、おもちゃを取られないようにという防御から噛みつく場合も多くあります。

興味がある

興味が沸いて噛みつくこともあります。

おもちゃだけではなく、目の前に人の手があり興味がわいたり、じゃれたい気持ちになったりすると、悪気なく噛みついてしまう場合もあります。

気持ちの表れ

噛みつきには子どもが何かを伝えたい気持ちが表れていることが多くあります。そのため、いや、欲しい、怖い、落ち着かない、などそれぞれの思いがあります。

関わり方がわからない

「お友達と仲良くなりたい」「一緒に遊びたい」という気持ちから噛んでしまうこともあります。この場合、攻撃的な意味はなく、関わり方を知らないが故の行動です。

このように必ずしもマイナスな感情から噛みついてしまうのではなく、子どもなりの愛情表現になっている場合もあります。

噛みつき対策

噛みつきが起きた場合、「噛むことはダメ!」噛まれたら痛いことや、誰に対してもやってはいけないことという内容は1歳でも伝えます。

怒るのではなく必ず伝えます。これは基本です。どんなに小さくてもいけないことはいけないと示します。

子どもの気持ちを汲み取ってみる

噛みつきは要因が明らかなことが多いため、噛みついた子どもの気持ちを汲み取ることも大切です。

例えば、おもちゃを取られたことが嫌で噛みついた場合、噛みついたことだけを言われると、根本的な取られたという気持ちを理解してもらえなかった子どもは悲しい気持ちのまま過ごすことになり、満たされない気持ちは、また噛むという、違う要因を引き起こす事にもなりえます。

噛むことはいけないのは当たり前ですが、一方で人のおもちゃを取る事もいけないことです。取った方は無意識ですが噛まれる要因を作っていることになるので、それを躾けていってあげないとその子は噛まれる回数が増えてしまいます。噛まれたことの対応はもちろん最優先ですが、人のお邪魔はしないことを噛まれた方にも繰り返し伝えていくことが大切です。

まずは双方の気持ちを受け止めた上で、状況に理解を示すことが大切になります。

集中できる遊びを用意する

子どもが集中できる遊びを用意することも、噛みつき対策のひとつになります。

他のことに気が散らないだけではなく、集中して遊ぶ時間は、子どもの気持ちの安定にもつながるからです。遊びがマンネリ化していないか確認し、おもちゃを更新していきましょう。

子どもたちの密集を避ける

密集していると、そばにある腕を無意識に噛んでしまったり、邪魔だと感じた子に対して噛みつきが起こったりする場合があります。

保育園では座る椅子の間隔を広く取り、お隣の子とぶつからないようにするなど工夫をしています。噛みつきを防ごうと友だちとの関りを遮断するのではなく、一緒に遊ぶことが出来るように工夫することが必要です。

これまで、要因と対策の例を挙げましたが、気持ちの表現を言葉ですることが未熟な段階の子に噛みつきが多いのは事実です。直接的な対策としては以上参考にしてみてください。

間接的な対応としては言葉を吸収していく環境を整えてあげることが重要です。自分の気持ちを上手く伝えることが出来るようになると自然に噛みつきが減っていくからです。

そんな環境づくりに適したおもちゃと遊び方を保育園の事例から紹介しましょう。

ちゃいるどはうす森のほいくえんのお子様たちの様子

ドールハウスの道具を全て写真を撮りカードを作ります。カードと一つ一つの道具と同じものを対応させます。

一つずつ取り出してそれのお名前を伝えたり、何をするものか伝えたり確認したりします。

ここまでは大人が一緒に言葉を使って関わり合いながら行います。

興味を持つと子どもは自分でやってみたくなります。物の名前を口に出しながら確かめています。

お友達やお家の方とお話ししながらお部屋を作っていくを言葉と一緒に想像力も育ちます。

ドールハウスとしての対象年齢は4歳からになっていますが、当保育園では2歳児で誤飲の心配がない子どもには、アドバイスにある様に少しずつ名前を伝えたり、ベッドは寝るところ等使い方を示してあげています。

子どもが日常的に触れている家具などは一つひとつがレプリカとして使用でき、物の名前を覚えて行くにはとても良いアイテムです。

お片付けのできる入れ物も準備してあげましょう。

『言葉』におすすめの知育玩具

木とアクリルガラスで作られた3階建てのドールハウスです。
プールやベッド、ダイニングテーブルなどカラフルでおしゃれな家具も付いています。

お人形(別売り)を揃えてごっこ遊びをしたり、インテリアとしても飾って楽しめます。

※人形は別売りです
※ドールハウスは組立式です

DJECO(ジェコ)
DJ07838 シティーハウス
対象年齢:4才以上~
パッケージサイズ:約34×9.5×25cm

詳しくはこちら

監修】社会福祉法人地球の子ども会 理事長 ちゃいるどはうす森のほいくえん園長根本 華誉(ねもと かよ)先生https://www.childhouse.ed.jp/

【プロフィール】1967年茨城県水戸市生まれ日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師養成センターでは「0歳~3歳コース」「3歳~6歳コース」のディプロマ取得後、令和元年まで10年間日本モンテッソーリ教育綜合研究所研究員、令和4年度まで12年間同研究所教師養成センターで講師。AMI国際モンテッソーリ協会公認『乳児アシスタントコース』ではイタリアの精神科医でモンテッソーリ教育の第一人者であるDr.シルバーナ・Q.モンタナーロ(国際モンテッソーリ教師トレーニングコース0~3歳所長)より直接教授を受け ディプロマ取得。保育士免許取得。調理師免許取得。赤十字幼児安全法支援員。幼児体育指導者資格取得。

【現 職】社会福祉法人地球の子ども会理事長として4施設運営/ちゃいるどはうす森のほいくえん/ちゃいるどはうす保育園/小規模保育園ちゃいるどはうす小さなおうち/小規模保育園ちゃいるどはうすNido&Infant /水戸市地域子育て支援センター『バンビーニ広場』設置 /北関東モンテッソーリ教育研究会専任講師/静岡モンテッソーリ教育研究会専任講師/他日本をはじめアジア各地の団体・短大等で講義を担当。法人本部の自然教育とモンテッソーリ教育を柱にしている「ちゃいるどはうす森のほいくえん」にはコロナ前には年間400名を超える視察研修者が世界中から訪れた。今年度から視察研修再開。

【その他】日本モンテッソーリ協会(学会)会員・AMI国際モンテッソーリ協会本部会員・AMI友の会NIPPON会員・特定非営利活動法人モンテッソーリTUDOI会員・森のようちえん全国ネットワーク会員

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